P.4 一、人生の目的と苦悩の意味
『もしも、この人生は単に束の間の動物的存在にすぎず、そのほかに何らの使命もないものだとしたら人間は一体何に促されて、生涯にわたって、自分自身と周りの世界とを相手にして、、初めは殆ど見込みなく見えるほど苦しい戦いをする気になるだろうか。』
(草間平作、大和邦太郎訳、「幸福論第二部」岩波書店1998年159頁、以下「ヒルティ幸Ⅱ」と省略 します)
何故人生はこれほどまでに苦難に満ち満ちているのでしょうか。そして、苦難はなぜ人々に均等でなく、不平等に課されるのでしょうか。今日に至っても生老病死からくる人間の凄惨な人生苦は無数の自殺者をもたらし、その勢いは留まるところを知らないかのようです。
「何故、このように苦しまなければならないのか、生きる意味が一体どこにあるのか。こんなことならいっそのこと早死にするか動物にでも生まれてきた方がまだましだ。いや、大体生まれてこなければよかったのだ。」
有史以来人間が抱き続けてきたこのような絶望の叫びに対してヒルティは次のように答えていきます。
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